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これは、私が海外添乗員をしていた頃の話。

団体旅行というと、
だいだいバスで移動することが多い。

バスで、何時間も移動していると、
やはり気になるのがトイレ。

普段、それ程頻繁にトイレに行かないような人でも、
バスで何時間も移動となると、
突然、頻尿気味になって

「トイレ休憩は何時間おきですか?」
とか

「次のトイレ休憩は何時間後ですか?」

という類の質問を浴びせかける人が、
結構多い。

そんなわけで、
私達は、必ず1時間半から2時間おきにはトイレ休憩を入れるように
バスドライバーと相談をして、
予定を組む。

ある時、
ドイツ、スイス、フランスを周遊するツアーの添乗をした。

合計30名ほどの団体だったが、
その中の20名は、なんとか老人会メンバーという、
何とも濃い客層だった。

しかも、ほとんどの人たちが
海外旅行が生まれて初めて。

生まれて70年以上、日本から一歩も出たことがないのに、
いきなりヨーロッパにきちゃったもんだから、
彼らの不安も大爆発。

水道の水は飲めるのか?
枕銭はいくら置いたらいいのか?
シャワーはどうやって浴びたらいいのか?
ビデ(ヨーロッパによくある、水道のついたおまるのようなもの!?)はどうやってつかうのか?

極めつけは、

「添乗員さん、明日の朝、8時半出発ですよね?
私、その時間帯はいつもトイレでう○ちをするんですけどね、
明日はいつう○ちをしたらいいんでしょうね?」

「・・・・・」

う○ちの世話まで、できねーよ

もちろん、そんなことは言えないので、
懇切丁寧に、アドバイスをした上、
次の朝には
「どうです?ちゃんとでました?」
と、知りたくもないけど
ご機嫌伺いまでした。

そんなこんな、
心配が尽きないなか、
それでもなんとか無事に数日間を楽しく過ごし(お客さんがね)
ドイツを後にして、スイスに入ったときのこと。

スイスのどこの町か忘れたけど、
高速道路上のサービスエリアでトイレ休憩をとることにした。

ヨーロッパでは、トイレでもチップを置くのが習慣だが、
だいたいトイレの入り口のところにお皿が置いてあって、
そのお皿にコインを置けばいいだけになっている。

しかし、
ここのサービスエリアのトイレはちょっと変わっていて、
トイレの個室のドアに、小さな機械がついていて、
その機械にコインを入れないとドアを開けることが出来ない。

タダション、またはタダグソは出来ない仕組みなっている。

ところが、

前に入っていた人が、用が終わってトイレを出るときに、
バタンと個室のドアを閉めてしまうとドアがロックされ、
次の人がコインを機械に入れないと、ドアが開けられないが、

前の人が出るときに、ドアを開けたまま次の人をいれてあげると、
コインを入れずに、次の人が入ることができる。

そんなトリックがあったのだ。

いつも、このサービスエリアを使う時は
それをお客さんに教えてあげていた。

そのときもいつもの様に
サービスエリア到着前に、お客さんにその説明をしていて、
おじいちゃん、おばあちゃん、
みんな、
ふん、ふん、と大きくうなずいて
とってもよく理解してくれたようだった。

バスを降りて、
「トイレはあちらで~す。」
と案内をする。

全員バスから降りたのを確かめてから、
私もトイレへ。

その日は、他にも団体旅行のバスが何台かトイレ休憩を取っていたみたいで
色々な国の人たちで、
トイレはごった返していた。

でも、
この騒々しさは、ただ混んでいるだけではなさそうだ。
なんか、騒然としている。

何かあったんだろうか・・・?

私のお客さんたちが心配になって、
中に様子を見るために入っていくと、

そこには、、、、、

ドアを開けたまま用を足すおばあちゃん。。。

しかも、一人じゃない。

ここも、

あ、隣も、、

あ、その隣も、、、

そして、次にならんでいる人が
一生懸命ドアが閉まらないように、
押さえてあげている。

用を足しているおばあちゃん、

「あんた、私がおしっこしている間、しっかりドア閉まらないように、押さえておいてよ!
閉まっちゃったら、お金いれないと開かないんだからね!!」

とドアを押さえている別のおばあちゃんに
気合を入れている。

そして、ドアを押さえているおばあちゃん

「あいよ!分かってるよ!」

と、
両足を大きく開いて踏ん張り
両手で必死にドアが閉まらないように押さえている。

ち、、、

違う、、、、

私が言ったのは、そういう意味じゃない、、、

今まで、まったく同じ説明をしてきて、
こういう風に受け取られたのは初めてだ。

どっかのアジア人のおばあちゃん達が
何人もドアを開けたまま用を足している姿に
他のツアー客が騒然となっていたんだ。。。

一旦トイレから出て深呼吸をする私。

「落ち着け、私。。。
怒るな、私。。。
ダライラマ、、、
ダライラマ、、、、 意味不明

もう一度
トイレに戻り、
ドアを開けたまま、用を足したがるおばあちゃん達を説得して
事態収拾に努める。

15分間のトイレ休憩でぐったりつかれてしまった私。

残りの数日間は、大きな出来事もなく済んだが、
全体的に嵐のような8日間の旅だった。。。

でも、、、

バスで長距離を移動する時は
添乗員がバスガイド役もしなければならないが、
ネタがなくなると、
このトイレの事件を話していた。
そして、
空振りすることなく、必ずウケていたので、
まぁ、
そのときは大変だったけど
後から

「ネタをありがとう。。。」

と感謝するようになった。

そして、
十年以上経った今でも
こうしてブログのネタになっている。

あの時のおばあちゃん達、

「もう一度、ネタをありがとう。。。」

物は考えようだ。


↓おばあちゃん達、今でも元気でいてくれるといいね
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2010.04.27 Tue l 思い出 l コメント (26) トラックバック (0) l top