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ただの思い出話。

10年以上前、
私が海外添乗員をしていた頃。

たいてい
クリスマスは何処かの国で過ごしていることが多かったのだが、
その年は
仕事が入ってなく、
日本でクリスマスを過ごすことになった。

しばらく彼氏のいなかった私だが、
仕事は忙しかったし、
クリスマスも
日本にいることはほとんどなかったので、
別に
寂しいとか、
彼氏欲しいなぁとか
思うことはなかった。

しかし、
思いもかけず
その年は日本で過ごすクリスマス。

前にも書いたが
どうも
日本のクリスマスは
家族で過ごすよりも
恋人達のイベントという風潮がある。

ちくしょー
久々に日本で過ごすクリスマスが一人だなんてっ!


一人毒づいていると、

そこに携帯がなった。

「24日の夜は空いてますか?
よかったら、食事でもいかがですか?」

ウヒョー♪

男から、イブの夜に食事に誘われた~

いや、、、

でも、、、、、

ちょっと待てよ!!


・・・・・ 誰だ、こいつ???


必死に記憶の糸をたどる。

そうだ!

3週間ほど前に
会社の同僚に誘われていった合コンで知り合った男の子だ。

電話番号を交換した記憶はないが、
たぶん、私も酔っていたんだろう。

その後すぐに仕事のツアーが入っていて
10日ほど留守にしていたので、
すっかりこの人のことを忘れていた。

イブの夜は、一人だが、
存在を忘れてしまう程度の男と出かけるってのは
いかがなもんだろう。。。

30秒ほど悩んだが、
「OKです」
と返事をした。

この男の子は、合コンに誘ってくれた同僚の
高校時代の同級生という安心感もあった。

フフフ

これで、
イブの予定は埋まったぞ!

そして、
当日。

渋谷の駅で待ち合わせる。

「こんにちは~」

「あ、こんにちは~」

「ツアーから戻ってきたんですね~」

「戻ってきたから、今ここにいるんじゃろうが~!!!」

「あ、そうなんですよ~。おとといイタリアから帰ってきました~。ウフッ」

「じゃ、どこ行きます?何か食べたいものとか??」

「あ、私、場末の居酒屋がいいです~。ウフッ」

「えっ、、あぁ、、、い、居酒屋???
レストランとかじゃなくて、居酒屋でいいの???」

「いいんです~、なんか日本ぽいものがいいから~。ウフッ」

「そ、そうなんだ、、、じゃ、行こうか」

やっぱりイブの夜の渋谷は混んでいた。

でも、
ラッキーなことに
その男の子がよく行くという
居酒屋と言うよりは、
ちいさな小料理屋があって、
ちょうど、
そこのカウンター席が2つ空いていたのだ。

あっつあつのお絞りで
顔を拭く
手を拭く

「何飲む?ビールでいい?」

「あ、私、ビールじゃなくて、
焼酎のお湯わりの梅干入りにしてください」

「え!?いきなり焼酎???」

「変ですか?」

「い、いや、変じゃないけど、、ブツブツブツ

その頃、
仕事で飲むものと言ったら、
ビールかワインだったので、
日本にいるときは
日本にいる時しか飲めない、大好きな焼酎からはじめる事を
常としていた。

だいたい、
ビールから始めなきゃいけないってルールあるの?

コップに並々と注がれた
焼酎のお湯割り。
割り箸で中の梅干をガシガシと潰す瞬間が
たまらない。

恍惚とした表情を浮かべ
梅干をガシガシ潰す私に
驚きの視線をモロにぶつける彼。

そんなこたぁ、知ったことじゃない。

お酒が入るにつれ、
話も盛り上がり、
料理も美味しく
楽しい時間を過ごした。

クリスマスイブを
小料理屋で過ごす若者カップルというのは
あまり存在しないらしく、
その店は
私達以外
ほとんどが、
会社帰りのおっさん達だった。

別に私達もカップルと言うわけじゃなかったので、
周りのおっさん達と他愛もない話をしながら飲んでいるのが
また居心地いい。 同化している私。。。

おっさん達の一人に
「いいねぇ~、今日は可愛い彼女連れちゃって~」
なんてからかわれている彼。

「いや~、あはははは」

おいっ!

こらっ!!

否定しろ~~!!!!

「私、彼女じゃありませんから~、ウフっ」

やはり
ここは明確にしておかなければならない。

そんなこんなで、
もう11時。

そろそろ店も閉まるし、
私の終電の時間もある。

この辺でお開きにして
店を後にした。

外のひんやりとした空気が気持ちいい。

思いもかけず
美味しい料理と
美味しいお酒で
楽しいイブを過ごせて満足だった。

酔いを覚ましながら
それほど遠くない駅を目指して
バカ話をしながら歩いていると、

突然、、、

彼が、

私の手をにぎってきた。。。。


なんか、
そうなる予感はあったものの、
あまりの想定通りの行動に
がっかり。

「な、、何?」 一応びっくりしたフリ。

「あのさぁ、、、、」

ほら、来た来た。

次に言う言葉も予想がつく。

「あの、、、

 ほら、、、

 その~、、、

 どっか泊まっていかない? 」


 「・・・・・」 

あえて、黙っていると、

「ほら、、、

 その、、、、

 今日はクリスマスだし、、、ねっ?」

おのれ~~~っ!!!

クリスマスだからって
慈善団体のように
私の体を寄付しろってのか~~~????

「あの、、、、、

 キッパリとお断りします!! 

少しは脈があると思っていたのか
その男は
うろたえ始めた。

「ええっ!?
 本当にダメなの?
 いいじゃん、べつに。。。
 本当にダメ??」

こういうみっともない男の姿に
酔いも一瞬で覚める。

「あのさぁ、
 あたし、別にあんたとヤルために今日来たわけじゃないんだよね。
 だいたい、あたしあんたのカノジョじゃないんだしさ、
 せっかく楽しかったんだから
 楽しいまま家に帰してよ!」

「え、、そうなの? 
 いや、、、
 イブの夜に会ってくれるってことは、
 今後付き合っていくつもりがあるのかと、、、」

「付き合うつもりがなかったら、
 イブの夜に男に会っちゃいけないわけ?
 ただ、一人モンどうし、
 楽しく飲むだけじゃいけないわけ???」

「いや、そういうわけでは、、、ボソボソ、、、

そして、
気まずい雰囲気のまま
駅で別れた。

その彼とはそれっきり。。。

その後、
同僚に

「ちょっと~!あんたの同級生、おかしいんじゃないの?
 どーたら、こーたら・・・」

と、事の次第を話すと

「そりゃ、あんたが悪いね!」

とバッサリ切り捨てられた。

「そりゃ、そうでしょ。あんたが悪いよ。
 普通、イブの夜に会ってくれるとなったら
 男だったら期待するんじゃないの?
 そんなつもりがないなら、イブに会っちゃダメよ。
 別の日にしなきゃ!!
 かわいそうに、○○君(その男の名前)
 普段気が弱いから、勇気を振り絞って誘ったんだと思うよ。
 やっぱり
 コバに紹介したのが間違いだったわ。。。
 あ~、かわいそうな○○君!!」

と言いたい放題。

おいおい
気が弱いヤツが
いきなり手をにぎって、ホテル行こうなんて誘うか?

いずれにせよ、

イブの夜に男に会うときは
心して会わなければならないらしい。ヤラぬなら会うな!

ま、
こういう機会は二度と訪れる事がないまま
10年以上経ち
また
今年もクリスマスイブを迎えようとしている。

現在は家族で過ごすクリスマス。

昔のようなドキドキ感はなくなってしまったが、
こうして
収まるべきところに収まった自分も
悪くはない。

それもまた、幸せ。。。

でも、、、

その事件の2年後
私がまだシングルの時、(旦那とは知り合っていたが)
彼が結婚するんだよ~
と同僚から聞かされた時は、
なぜか、ムショーに腹がたった。



↓誘い方にもよるのよね~
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2010.12.23 Thu l 思い出 l コメント (20) トラックバック (0) l top